発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013269701
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60歳男。38.9℃の発熱や悪寒を自覚し、救急病院にて肺炎の診断で抗菌薬を投与されたが改善せず、2日後に当院入院となった。胸部CTで左側に多房性の胸水貯留を認め、エアブロンコグラムを有する下葉無気肺もみられ、肺炎が遷延したものと考えた。肺炎に随伴した胸水貯留で、多房化し膿胸となったものと診断し、超音波所見でも同様の診断であった。ドレナージを行ったものの排液困難で、線維素溶解療法の適応と考え3日間連日のurokinaseによる胸腔内洗浄を行ったところ、肺内の炎症や胸水貯留、無気肺の改善を認めた。ドレーン抜去日(ドレナージ7日目)のCTでは胸膜肥厚と胸水が軽度残存していたが、ドレーン抜去後50日には無気肺は消褪し、肺内に線状影を残すのみとなった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013