発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006003425
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73歳男.全身倦怠感および腹部膨満を主訴とした.腫瘍マーカーはAFP 17.2ng/ml,PIVKA-II 28mAU/mlで,肝予備能は肝障害度B,Child-PughスコアBであった.腹部超音波およびCTにて肝S8に径約3cmの腫瘤性病変を認め,腹部血管造影にて肝S8に動脈相の早期より淡く染まる病変を認めた.以上より肝S8の肝細胞癌と診断,肝予備能および腫瘍の局在を考慮して,ラジオ波焼灼療法(RFA)を選択した.術中体位は左下側臥位とし,第6肋間より胸腔鏡を挿入した.横隔膜をLCSで切開し,次いで超音波にて腫瘍の大きさ・局在を確認後,センチュリーメディカル社のRFA装置にてクールチップのシングルニードルを使用し,インピーダンスモードで12分×3回焼灼した.経過は良好で術後6日目に胸腔ドレナージを抜去した.しかし術後14日目より呼吸困難を認め,胸部X線像より胸腔内出血と診断,緊急止血術を施行した.術中所見にて明らかな動脈性の出血は認めず,可及的に横隔膜を再縫合し手術を終了した.以降の経過は良好で,再発徴候は認められない
©Nankodo Co., Ltd., 2005