臨床経験
開窓術後に充填術を施行せず治癒した気管支断端瘻合併膿胸
可児 久典
1
,
佐野 正明
1名古屋徳洲会総合病院 呼吸器外科
キーワード:
気管支鏡法
,
気管支瘻
,
胸水
,
術後合併症
,
治療的洗浄
,
膿胸
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
ブドウ球菌感染症
,
扁平上皮癌
,
リンパ節郭清
,
Cefepime
,
胸腔ドレナージ
,
細菌培養
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
Air Leaks症候群
,
胸部CT
,
胸部開窓術
,
充填材
Keyword:
Bronchial Fistula
,
Bronchoscopy
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Therapeutic Irrigation
,
Lung Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Postoperative Complications
,
Pleural Effusion
,
Pneumonectomy
,
Staphylococcal Infections
,
Empyema, Pleural
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Cefepime
pp.506-509
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015390521
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60歳男。肺癌術後17日目に発熱が出現し、当院を受診した。臨床経過および胸部CT所見より、気管支断端瘻を合併した膿胸と診断し、胸腔ドレナージおよびCFPM投与を開始した。治療開始後は炎症反応の改善と瘻孔の消失を認め、胸腔ドレーンを抜去したが、再び膿胸を併発し、胸水よりMRSAが検出されたため、肺癌術後61日目に開窓術を施行した。開窓術後は急速に炎症所見が改善し、開窓術後6ヵ月には気管支断端瘻も閉鎖した。術後1年で開窓部は正常な皮膚で完全に被覆され、術後5年以上経過した現在、日常生活に支障なく、肺癌や膿胸、気管支瘻の再発も認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015