発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009171906
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
60歳男。発熱、咽頭つかえ感を主訴とした。胸部X線写真で右肺野に液体貯留像を認め、精査の結果、食道癌(squamouos cell carcinoma)T4N4M0Stage IVaとその穿孔による膿胸と診断した。手術不能として膿胸の治療と中心静脈栄養管理を行ったが、その後、食道狭窄症状(唾液貯留)の進行と腫瘍熱、高カルシウム血症を認めたため、betamethasone 2mgの静注を開始したところ、食道通過障害や高カルシウム血症は改善して経口摂取と自宅療養が可能となった。しかし、効果は2ヵ月程度であり、その後はbetamethasoneを増量しても症状は改善せず、腫瘍の増大、敗血症、高カルシウム血症のコントロール不良から全身状態の悪化が進行し死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009