発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009042207
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
手術時に胸腔洗浄細胞診を施行した原発性肺癌168例を対象に、細胞診結果と予後との関係を検討した。全例開胸所見で胸水や播種巣は認めなかった。細胞診陰性は156例(男100例・女56例・平均65.2歳:A群)、陽性は12例(男9例・女3例・平均62.3歳:B群)であった。組織型は、A群が腺癌110例、扁平上皮癌35例、その他11例、B群は順に9例、0例、3例であった。組織学的因子は、B群においてN因子でN1およびN2例、p因子でp2以上例が有意に多かった。再発はA群33例、B群8例に認め、B群で発生率が有意に高かった。再発形式は、A群が局所再発13例、B群が2例、遠隔転移はそれぞれ20例、6例で、有意差はなかった。B群の生存率はA群に比較して有意に不良で、同時期の悪性胸水陽性15例と同等であった。各予後因子による多変量解析を行ったところ、N因子と胸腔洗浄細胞診が独立した予後因子であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008