発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2001176690
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症例は59歳の男性で,1963年僧帽弁交連切開術,1984年僧帽弁置換術,三尖弁置換術を1988年再び僧帽弁置換術,三尖弁置換術が施行された.1993年初回のE.faecalisを起因菌とした感染性心内膜炎(IE)発症,piperacillin8~12gで治療されたが,ペニシリンアレルギーが疑われ,以後はfosfomycinを投与し治癒した.その後発症,治癒を2度繰り返したが,三尖弁の人工生体弁の機能不全のため,三尖弁置換術を施行した.又,ペースメーカー植え込み術を施行した.その後入院となり細菌学的検査で,E.faecalis陽性であったためこれを起因とするIEと診断した.warfarin,利尿薬内服に加え,fosfomycin点滴で抗生物質治療を開始した.fosfomysin耐性菌であり,imipenem・cilastatin点滴に変更し,約1ヵ月でCRPは陰性化し心不全症状もほぼ消失した.大腸内視鏡検査で出血を伴うポリープを認め,感染源の可能性が考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2001