発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011192874
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48歳男性。患者は膵臓癌に対する術後1年、化学療法が4クール行われたが、終了後に発熱と意識障害が出現し、緊急入院となった。当初、感染源不明の敗血症性ショックと考えられ、抗生物質IPM/CSの投与が行われたが、呼吸不全が増悪したため人工呼吸管理とした。更に入院後数日はDICに対する治療も行われたが、入院4日後に血液培養よりGBSが検出、同日の心エコーにて僧帽弁輪・左房後壁の破壊を伴う重症感染性心内膜炎と診断された。以後、IPM/CSに加えGMが追加投与されたが、心不全のコントロールは困難で、手術待機目的で入院8日目に大動脈バルーンパンピングが挿入されたところ、入院12日目には肺うっ血の改善傾向がみられ、このことよりGMはCTXに変更され、入院16日目に準緊急的でtranslocation法、カラー付き人工弁を用いた僧帽弁置換術が施行された。そして、抗生剤を適宜変更した結果、術後1年6ヵ月間経過で炎症の再燃はなく、良好に経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2011