発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195251
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手術を施行した感染性心内膜炎57例(男28例、女29例、平均57.6歳)の成績を報告した。術式は僧帽弁置換術が29例と最多であった。自己弁感染は53例、人工弁感染は4例、手術時間はそれぞれ平均336分、473分、死亡は2例、1例であった。血液培養結果はStreptococcusが23例、Staphylococcusが19例で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は2例であった。術前炎症所見は体温36.8℃、白血球数7103/μl、好中球割合68.3%、血清CRP値2.0mg/dlであった。緊急手術は14例で、縦隔炎による院内死亡を1例認めた。緊急手術の理由は、心不全のコントロール不能8例、敗血症性ショックで循環動態破綻3例、脳梗塞の危険性3例であった。待機的手術は43例で、術後30日以内の死亡を2例認め、MRSAと腸管壊死による敗血症が死因であった。手術の合併症は、心室中隔穿孔に完全房室ブロックを伴った1例を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014