胸部外科の指針
大動脈弁輪部破壊を伴った感染性心内膜炎に対するFreestyle弁を用いた大動脈基部置換術
盛島 裕次
1
,
久貝 忠男
,
摩文仁 克人
,
阿部 陛之
,
山里 隆浩
,
大北 裕
,
大徳 和之
,
福田 幾夫
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 心臓血管外科
キーワード:
心臓弁膜症
,
心内膜炎-感染性
,
バイオプロテーゼ
,
大動脈弁
,
治療成績
,
心臓人工弁
,
人工弁置換術
,
大動脈置換術
Keyword:
Aortic Valve
,
Bioprosthesis
,
Endocarditis, Bacterial
,
Heart Valve Diseases
,
Heart Valve Prosthesis
,
Treatment Outcome
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
pp.347-355
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014195248
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大動脈弁位感染性心内膜炎(IE)手術のうち、大動脈弁輪まで感染が拡大し基部置換術を要した11例(男8例、女3例、平均69.9歳)に対して、ステントレス生体弁であるMedtronic Freestyle生体弁を用い、その有用性について検討した。IEの内訳は人工弁(PVE)9例、自己弁2例で、手術時間は平均815.9時間、術後集中治療室滞在日数は7.7日であった。術後早期の病院死は1例に認め、PVEによる大動脈弁周囲逆流の進行などにより緊急手術を行ったが、低心拍出症候群、多臓器不全のため術後14日目に死亡した。術後合併症は72時間以上の人工呼吸管理が5例、一過性心房細動が1例であった。術後観察期間5~82ヵ月で、遠隔期死亡は肝不全を来たした肝硬変併存例と、心不全を来たした透析例の計2例であった。心血管関連合併症としては、1例で術後22ヵ月目に完全房室ブロックのため永久ペースメーカー植込み術が行われた。IEが再発した症例はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014