手術の工夫
人工弁感染に対するManouguian法による再二弁置換術
國友 隆二
1
,
岡本 健
,
森山 周二
,
坂口 尚
,
田爪 宏和
,
吉永 隆
,
川筋 道雄
1熊本大学 心臓血管外科
キーワード:
胸部X線診断
,
再手術
,
再発
,
僧帽弁
,
心臓人工弁
,
人工弁置換術
,
胸部CT
,
心内膜炎-人工弁
Keyword:
Heart Valve Prosthesis
,
Mitral Valve
,
Reoperation
,
Recurrence
,
Radiography, Thoracic
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
pp.191-195
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016152985
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81歳男。前医にて74歳時に感染性心内膜炎に対し大動脈弁置換術(AVR)・僧帽弁置換術(MVR)・三尖弁形成術を施行され、その3年後に大動脈弁位人工弁感染性心内膜炎(PVE)により再AVRを受けた。さらに4年後に感染再燃をきたしたため当院に緊急搬送となった。TEE所見では可動性のある疣贅が僧帽弁位人工弁に嵌頓するように付着し、弁輪部逆流を認めたため、再MVRのみの予定で緊急手術を行った。手術所見では、感染が僧帽弁輪から弁間線維三角を通して大動脈弁輪まで波及しており、感染部を完全切除後、Manouguian法による再二弁置換術を施行した。術直後より洞機能不全のため体外式ペーシングを行っていたが、洞機能回復が得られず、術後16日目に経静脈的DDDペースメーカーの植え込みを行い、術後28日目に独歩退院となった。術後49ヵ月経過した現在、PVEの再燃はみられず、経過良好である。
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