発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2001186222
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症例は26歳の男性で,1998年インドネシアに滞在中,マラリアを発症し,現地の病院にて治療を受けた.1999年帰国の24日後,悪寒を伴う高熱が出現し,末梢血塗抹標本にマラリア原虫を認めた.第2病日に40度の発熱が出現し,chloroquine 600mgを,その8時間後,24時間後,48時間後に300mgを内服投与した.第2病日午後8時の血液検査で血小板数が2.3×10^4/μlに減少し,第3病日の検査成績で血中FDPが40~80μg/dlと上昇したため,厚生省DIC診断基準で7点となり,DICと診断し,gabexateの投与を開始した.第3,4病日共に発熱を認めたが,第5病日以降は解熱し,末梢血赤血球中の原虫は減少していき,chloroquine内服開始から5日目に消失した.血小板数は第9病日に基準範囲内となった.経過中軽度の倦怠感と嘔吐を認めたが,意識レベルの変化,呼吸困難などは出現しなかった.再発防止を図る目的でprimaquine 15mg/日を2週間投与した.副作用はなく,経過良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2001