臨床室
環椎後頭骨癒合を有する歯突起後方偽腫瘍に対し環椎後弓切除を行い脊髄症が再発した1例
若槻 拓也
1
,
松崎 雅彦
,
田中 直美
,
河野 通快
,
内尾 祐司
1島根大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
環椎
,
頸椎
,
再発
,
MRI
,
歯突起
,
脊髄疾患
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
椎弓切除術
,
頭蓋骨癒合症
,
偽腫瘍
,
徒手筋力テスト
Keyword:
Cervical Atlas
,
Cervical Vertebrae
,
Craniosynostoses
,
Laminectomy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Odontoid Process
,
Radiography
,
Recurrence
,
Spinal Fusion
,
Spinal Cord Diseases
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.243-246
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016169119
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68歳男。前医にて3年前に環椎後頭骨癒合を有する歯突起後方偽腫瘍(ROP)に対し環椎後弓切除術を施行されたが、1年前より四肢麻痺が徐々に増悪し、両側上肢挙上困難、歩行困難となったため当科を紹介受診した。単純X線で環軸椎の不安定性はなく、単純CT・MRI所見よりROPの再発と環軸関節嚢胞による圧迫性脊髄症の再増悪と診断し、後頭頸椎固定術(O~C4固定術)を施行した。術後3ヵ月より両上肢の挙上が可能となり、術後1年の時点でJOAスコアは術前の7.5点から10.5点へ改善し、画像所見にて固定部の骨癒合、ROPと嚢胞の消失が確認された。術後2年の現在、神経症状の再増悪はみられず、経過良好である。
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