特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
脊椎の変性疾患に対する高齢者治療 頸椎変性疾患 非リウマチ性歯突起後方偽腫瘍の疫学と発症要因
百貫 亮太
1
,
高畑 雅彦
,
織田 格
,
大嶋 茂樹
,
金山 雅弘
,
岩崎 倫政
1北海道大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
危険因子
,
頸椎
,
MRI
,
歯突起
,
脊椎固定術
,
脊椎疾患
,
X線CT
,
椎弓切除術
,
治療成績
,
アラインメント
,
偽腫瘍
Keyword:
Cervical Vertebrae
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laminectomy
,
Odontoid Process
,
Risk Factors
,
Radiography
,
Spinal Diseases
,
Spinal Fusion
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
pp.74-77
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088648
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2006~2015年に北海道内施設で手術的治療を受け術後1年以上経過観察した非リウマチ性歯突起後方偽腫瘍22例(男15例、女7例、平均年齢75歳)の臨床的特徴から発症要因を後ろ向きに調査した。術前単純X線前屈位側面像の環椎歯突起間距離は平均2.6mmであり、環軸椎亜脱臼は5例(23%)であった。隣接椎間である後頭環椎関節の関節癒合を6例(27%)、中下位頸椎の4椎間以上の硬直を7例(32%)に認めた。もっともよく認めた特徴の一つは発育性脊椎管狭窄であり、中間位の有効残余脊柱管径(SAC)は平均15.4mmであった。環椎高位のSACが14.0mm以下の環椎低形成は6例(27%)に認め、3例で中下位頸椎の後彎変形を認めた。術式はO-C2固定12例、C1-C2固定5例、環椎後弓切除のみ5例であり、MRIのT2強調矢状断像での腫瘍前後径縮小率は0-C2固定が高かった。環軸関節支持機構への応力集中が歯突起後方偽腫瘍の発生に関連することが示唆された。
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