発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012294299
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外傷による歯突起骨折に伴う環椎後方脱臼に対し手術を行った15例の成績を報告した。内訳はMagerl法にBrooks法併用が10例(男6例、女4例、平均55.5歳;M+B群)、Brooks法4例(男、平均52.8歳;B群)、後頭骨C3後方固定1例(男)であった。手術時間はM+B群平均107.7分、B群106.9分、出血量はそれぞれ123.1ml、84.5mlであった。術後平均観察期間M+B群27.5ヵ月、B群59.5ヵ月で、骨癒合は全例得られ、術中・術後の合併症はなかった。歯突起転移率は術前がM+B群13.3%、B群46.4%、術後78%、70.2%、最終観察時88.1%、73.1%であった。手術による矯正率はM+B群78%、B群70.2%で、矯正損失は各群1例認め、それぞれ14.7%、7.9%であった。C1-2角は術前M+B群29.8°、B群23°、術後27°、23°、最終時28.7°、28.8°で、矯正損失はM+B群の3例(平均2.3%)に認めた。麻痺はFrankel分類で1段階以上改善がM+B群7例中6例、B群が3例中3例であった。
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