骨粗鬆症患者におけるデノスマブ60mg投与による血清カルシウム値

当科でデノスマブ60mg投与を開始した骨粗鬆症患者101例を対象に、投与前後における血清カルシウム(Ca)値および血清Ca値に影響を及ぼす因子について検討した。男性6例、女性95例で、平均年齢は77.2歳であった。その結果、血清Ca値はデノスマブ投与1週間後に有意な低下を示した。投与後の血清Ca値は投与前と正の相関を示し、投与前後の血清Ca値の変化量は投与前の血清Ca値と負の相関を示した。デノスマブ投与前の薬剤間(BP製剤、SERM、PTH)の血清Ca値の変化に有意差は認めなかったが、ビタミンD製剤の有無では有意差がみられた。今回の結果から、デノスマブ投与前の血清Ca値が低値の場合は、デノスマブ投与後により慎重な経過観察が必要と考えられた。