発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009068025
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85歳男。主訴は歩行障害であった。6年前に脳梗塞による右片麻痺と診断され、その後頸部の筋緊張感を自覚することはあったが、杖歩行は可能で自転車にも乗れていた。7~8ヵ月前に転倒後、歩行時のふらつき・前のめりになる症状が出現し、右上下肢の徒手筋力テスト4/5の麻痺と体幹失調を認めた。頸部単純X線側面像ではC3~C7の椎間腔の狭小化とC1レベルでの脊椎管狭窄症を認め、頸椎矢状断MRIではC3~C7の各椎間板のヘルニアと、歯突起後面に認める軟部組織と環椎後弓との間で脊髄が強く圧迫されているのを認めた。環椎レベルでの脊髄後索圧迫に起因する体幹失調による歩行障害と診断し、歩行時に頸部カラーを着用することで患者は劇的に頸部の安定感を得た。
©Nankodo Co., Ltd., 2008