発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012350827
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12歳女。右肩関節痛、発熱を主訴とした。特に誘因なく主訴が出現し、前医受診時の単純X線像で明らかな異常は指摘されなかったが、6日後の紹介受診時には右肩関節周囲の腫脹とCRP上昇がみられ、単純X線像、MRIでは上腕骨頭の下方偏位、右肩関節の亜脱臼と肩関節内の著明な関節液貯留を認めた。化膿性肩関節炎を疑って関節穿刺を行い、培養検査でメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を認めたため、全身麻酔下に関節切開排膿術、洗浄、デブリドマン、ドレナージと抗生物質の投与を行った。術後経過は良好で、術後3ヵ月現在、右肩関節の可動域制限はなく、亜脱臼位や感染の再燃は認めていない。本例ではMRIで骨髄内への炎症はみられず、血行性に関節内へ感染が進展したと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012