経験と考察
化膿性肩関節炎に対する鏡視下手術の経験
吉川 尚秀
1
,
濱本 佑樹
,
大槻 亮二
,
南崎 剛
1国立病院機構米子医療センター 整形外科
キーワード:
ドレナージ
,
Staphylococcus aureus
,
肩関節
,
関節炎-感染性
,
関節鏡法
,
抗細菌剤
,
デブリードマン
,
ブドウ球菌感染症
,
Streptococcus Infection
,
関節角度測定
,
Streptococcus dysgalactiae
Keyword:
Arthritis, Infectious
,
Arthroscopy
,
Anti-Bacterial Agents
,
Debridement
,
Drainage
,
Staphylococcal Infections
,
Streptococcal Infections
,
Staphylococcus aureus
,
Shoulder Joint
,
Arthrometry, Articular
pp.1037-1040
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016403078
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化膿性肩関節炎に対し鏡視下デブリドマンと吸引ドレーン留置を行った4例5肩を対象に、治療成績を検討した。その結果、発症原因は血行感染が両側発症の1例、関節穿刺が1例、不明2例であった。全例が1回の鏡視下デブリドマンにより感染を消退できた。関節内汚染の程度はGachter分類でstage Iが1肩、stage IIが2肩、stage IIIが2肩であった。起炎菌は連鎖球菌3肩、黄色ブドウ球菌1肩、不明1肩であった。抗菌薬はまず広範囲ペニシリン系または第一セフェムの点滴製剤を用い、その後感受性のある薬剤に変更した。抗菌薬の使用期間は平均29.3日であった。吸引ドレーン留置の期間は平均5.8日であった。最終評価時の屈曲角度は2例2肩が120°以上で、腱板断裂がないか、小断裂の症例であった。腱板広範囲断裂の1例1肩は60°と不良であったが、術前と変わりない可動域であった。本術式は術後の関節機能の温存が可能で、有効な治療法と考えられた。
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