発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010118218
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9ヵ月女。喘息発作のためステロイド治療を受けたが、退院後に発熱が出現し、右足関節外踝周囲に腫脹・発赤・熱感と著明な圧痛を認めた。血液生化学検査ではWBC 18200/μl、CRP 7.6mg/dlと炎症反応が上昇していた。X線で異常は認めず、化膿性蜂窩織炎などを疑い再入院となった。MRIで右足関節内にT1強調像で低輝度、T2強調像で高輝度の領域を認め、関節穿刺で膿性の関節液を吸引し、化膿性足関節炎と診断した。保存的治療を選択し、染色結果はGram陽性球菌であったためパニペネム点滴を継続した。入院5日目にはWBC 10300/μl、CRP 1.3mg/dl、ESR 62mm/時と改善し、入院6日目に起因菌がMRSAと同定されたため塩酸バンコマイシンを開始し、副作用のため入院8日目にテイコプラニンに変更した。その後、炎症所見は正常化したが、ESRは高値が持続し、メロペネムを追加し、次いでテイコプラニンを硫酸アルベカシンに変更したところ改善が得られた。以後は通院で加療し、発症1年2ヵ月の現在、疼痛や跛行はなく、X線上も異常はない。
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