発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012350826
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PinnacleカップおよびUltametライナーとS-ROMステムを用いてメタル・オン・メタル人工股関節全置換術(MOM-THA)を行った86関節の治療成績を調査した。対象疾患は変形性股関節症74関節、関節リウマチ11関節、大腿骨頭壊死症1関節で、術後観察期間は平均3年6ヵ月であり、X線学的評価と臨床評価を比較した結果、日整会股関節機能判定基準(JOAスコア)、疼痛、ROM、歩行能力、日常生活動作はいずれも術前より有意に改善していた。また、骨溶解やカップ・ステムの弛みを認めた症例や、ストレスシールディングが3度以上の症例はなく、術後合併症として4関節に脱臼を認めたが、再置換には至らなかった。なお、術後2年以上経過してMRIを行った79関節のうち、無症候性の偽腫瘍が疑われた症例が2関節(2.5%)あり、今後も詳細な経過観察を行う必要があると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012