発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010187310
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症例1:62歳女。発熱、左肩関節部痛と腫脹を主訴とした。単純X線で上腕骨頭の下垂を認め、MRIで肩甲上腕関節内、肩峰下滑液包内にT2強調像で高信号を認めた。関節穿刺で赤褐色の漿液が得られ、培養でEscherichia coliが検出され、化膿性肩関節炎と診断し、関節鏡視下滑膜切除術、洗浄・デブリドマンおよびPenroseドレーンによる術後ドレナージを施行した。症例2:60歳女。発熱、左肩関節部痛、臀部痛を主訴とした。CTで右腸腰筋・臀筋膿瘍を認め、MRIで肩甲上腕関節内、肩峰下滑液包内にT2強調像で高信号を認めた。関節穿刺で乳白色の混濁した関節液が得られ、培養でMSSAが検出され、臀部腫脹部からも同様の菌が検出された。腸腰筋・臀筋膿瘍を合併した化膿性肩関節炎と診断し、腸腰筋・臀筋膿瘍ドレナージおよび関節鏡視下滑膜切除術、洗浄・デブリドマンを施行した。2例とも術翌日からドレナージ促進および拘縮予防のため可動域訓練、抗菌薬投与を行い、炎症の再燃はなく経過良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010