発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007226696
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72歳男。腰痛・左臀部痛を主訴とした。高熱と高度の炎症反応を呈し、入院時腰椎MRIではL4/L5椎間関節に関節水腫像を認めたが、椎体椎間板炎や占拠性病変は認めなかった。入院1週間後のMRI T2強調画像で高信号の占拠性病変が脊柱管内左側後方に明瞭化し、左L4/L5椎間関節を中心に硬膜外腔・左腸腰筋および傍脊柱筋へ波及・進展し、硬膜管を著明に圧迫していた。単純CTでは左L4/L5椎間関節の関節裂隙の拡大と不整像を認め、左L4/L5化膿性椎間関節炎による硬膜外膿瘍・腸腰筋膿瘍と診断した。手術により膿瘍を可及的に掻爬・洗浄し、ドレーンを留置し閉創した。膿の培養からは黄色ブドウ球菌が検出され、椎間関節の病理組織所見では好中球の集簇や炎症性肉芽形成を認めた。術後、下肢痛は消失し、抗菌薬投与により炎症反応も徐々に軽快し再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007