運動器疾患に対する最小侵襲手術
最小侵襲手術の功罪 術後成績 後側方アプローチによる最小侵襲人工股関節全置換術の中期成績と手術手技
鈴木 康司
1
,
河内 貞臣
,
南家 秀樹
1総合病院取手協同病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節リウマチ
,
大腿骨頭壊死
,
変形性股関節症
,
最小侵襲手術
,
治療成績
,
股関節置換術
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Femur Head Necrosis
,
Radiography
,
Osteoarthritis, Hip
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
pp.214-218
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011225844
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後側方アプローチによる最小侵襲人工股関節全置換術(mini-THA)を行った99関節の成績を報告した。経過観察期間5年~8年4ヵ月で、日整会股関節機能判定基準(JOAスコア)は初診時平均45点、最終観察時82点であった。周術期合併症は、脱臼2例、坐骨・腓骨神経麻痺1例、大腿骨骨折1例で、症候性の肺塞栓、感染はなかった。再置換は2例で、1例は関節リウマチで下肢4関節置換後転倒を契機に習慣性前方脱臼を来たし、他の1例は腰椎後彎例の習慣性後方脱臼で、それぞれ術後4年、術後5ヵ月にカップ再置換となった。X線評価で、カップに関しては3mm以上の上方移動および5°以上の外方開角の変化を生じたunstableは1関節のみであった。ステムに関しては早期の沈下を1例認めたがその後は沈下せず、最終観察時のセメントレスステムの安定性はEnghらのfibrous/stability scoreでbony stable 75関節であった。セメントステム24関節では弛みを認めなかった。症例1:56歳女。関節リウマチで下肢4大関節置換術を施行した。左THA後4年で転倒後に左THA前方脱臼を発症、その他腰椎圧迫骨折、骨盤の後傾も見られた。習慣性脱臼となり、カップ再置換となった。症例2:60歳女。右大腿骨頭壊死症により右THAを施行した。術後8年6ヵ月現在痛みはなく、JOAスコア100点で、画像上緩みも認めなかった。
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