発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011186405
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イメージレスナビゲーションを使用した筋腱非切離前方進入法(DAA)による人工股関節全置換術(THA)の146関節と後方進入法(PA)によるTHAの92関節を対象に、インプラント設置精度および短期成績を比較した。在院日数はDAAで平均20.6日、PAで30.4日とDAAで短く、最終観察時Harris hip scoreには差はなかった。手術時間はDAAで85分、PAで88分と差はなく、出血量は各々744±418ml、450±249mlとDAAで有意に多かった。合併症として脱臼をDAAで1関節、PAで2関節に認め、骨頭径28mmで比較した場合に両群に差はなかった。また、PAで深部感染を1関節、DAAで大腿骨後方皮質穿孔を2関節、大腿神経麻痺を1関節に認めた。カップ設置角はDAAで外転角43.8±3.3°、前捻角17.1±3.9°、PAで各々44.9±4.6°、16.4±4.6°で、目標設置角との誤差はDAAで小さかった。ステムのアライメントは股関節正面像でDAAは中間位141関節、内反3関節、外反2関節、PAは各々91関節、1関節、0関節、股関節側面像ではDAAは中間位128関節、屈曲18関節、伸展0関節、PAは各々88関節、4関節、0関節とDAAは屈曲設置となる傾向であった。脚長差はDAAで3.4±4.4mm、PAで3.7±4.4mmと差はなかった。
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