発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007308717
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
62歳女。腰椎穿刺後に出現した排尿障害および臀部痛を主訴とした。下肢伸展挙上テストでは右60°(+)、左75°(+)であり、大腿神経伸張試験も両側が陽性であった。S3領域以下に知覚低下を認め、血液検査では血小板の低下を認めた。MRIでL3/L4~L4/L5レベルの椎体後面にかけて硬膜内に占拠性病変を認め、上部は低輝度、下部は高輝度で馬尾は後方に圧迫されていた。その後、下肢筋力低下が出現し神経症状の悪化をきたしたため、腰部硬膜下血腫の診断で血小板輸血のもと緊急血腫除去術を施行した。術直後から下肢筋力や知覚は改善し歩行も可能となり、1ヵ月後には自力排便・排尿できるようになった。血液異常がある患者への腰椎穿刺には注意が必要であり、穿刺後に神経症状が出現した場合は迅速な対応が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007