発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007308716
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81歳女。両下肢の脱力、しびれ、歩行不能を主訴とした。神経学的にTh6以下のレベルで全知覚低下を認め振動覚が消失し、CTではTh6に粗造な骨梁構造、水玉模様を認めた。MRIではTh6椎体と椎弓に腫瘍性病変を認め、椎体部はT1・T2強調画像でともに高信号、ガドリニウムで造影され、傍脊柱や椎体後壁の膨隆部はT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号であり、より強い造影効果を示した。脊髄は全周性に高度に圧排され髄内のT2強調画像高信号領域を認めた。胸椎血管腫による圧迫性胸髄症の診断で、Th5-Th6の椎弓切除を行いTh5・Th7-Th8を椎弓根スクリューにて固定した。術後速やかに筋力・知覚鈍麻の改善を認め、2ヵ月後には足底のしびれ・振動覚減弱は残存するも下肢筋力は正常となり独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007