発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003165687
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82歳女.腰部脊柱管狭窄症(LSCS)の保存的治療中に左大腿部痛で発症した胸腰椎移行部の脊髄硬膜下血腫を経験した.症状の出現は急激ではなく,ミエロCTにおいて硬膜との境界が明瞭であった為,脊髄硬膜外血腫を疑い,MRIで矢状断像,水平断像ともに血腫の背側に明瞭な境界を伴う硬膜外脂肪層を認め,脊髄硬膜下血腫を示唆する所見であった.LSCSに合併した脊髄硬膜下血腫であり,LSCSによりADL制限されていた為,血腫除去に加えてLSCS加療も同時に行うこととし,左L5神経根ブロックとコルセットによる外固定によりそれぞれの症状の軽減が得られた.術中の他動的操作によりL2/L3,L3/L4異常可動性が確認でき,L2,L5椎弓切除に加えてインストゥルメンテーションを併用した後側方腰椎固定術を施行した.短期的には良好な成績が得られ,除圧の範囲に関しては適切であった
©Nankodo Co., Ltd., 2003