発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012175551
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
棘突起正中縦割進入法により腰椎椎弓切除術を行った80例127椎間(男47例、女33例、平均72歳)の成績を報告した。内訳はすべりのない変形性脊椎症性脊柱管狭窄症50例(SD群)、腰椎すべり症性脊柱管狭窄症30例(SL群)であった。1例あたりの手術時間は平均193分、出血量は101mlで、合併症は髄液漏2例、神経根損傷1例が認められた。経過観察期間6~38ヵ月で、日整会腰痛疾患治療成績判定基準(JOAスコア)は術前平均15.1点から24.6点に改善し、SD群とSL群で有意差はなかった。CT横断像で棘突起縦割部の骨癒合は68椎弓中65椎弓に認め(骨癒合率96%)、矢状断像での棘突起基部の骨癒合は56椎弓で、骨癒合率82%(SD群86%・SL群72%)であった。棘突起基部の骨癒合が得られた症例と得られなかった症例でJOAスコアに有意差はなかった。またMRI撮像を行った36例58椎間のうち、T2強調横断像で手術高位の多裂筋に1+の信号変化を認めたのは5例6椎間であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012