発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004231732
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58歳女.首を過伸展した際,頸部痛を呈し,症状が増悪したため当日入院となった.MMTは上下肢とも右が4~5で低下,腱反射は亢進するが左右差はなく,Babinski徴候は両側陽性であった.脳CT・MRIでは新た所見なく,X線上C5~C7に骨棘形成,椎間板腔狭小化がみられ,発症1日目MRIでC2/C3の脊髄前方硬膜下にT1,T2ともに等輝度の像を認め,脊髄を圧迫していた.造影MRIでは硬膜周囲が造影された.発症8日後MRIでは同部位にT1,T2で高輝度および等輝度の混在した像を認め,造影MRIでは同様に硬膜周囲が造影された.安静により症状は徐々に改善し,歩行も可能になったため,退院し外来フォロー中である.発症6ヵ月後MRIでは同部位の血腫は消失した.本例における脊髄硬膜下血腫の原因として,脳梗塞に対して抗血小板薬を内服していたことが挙げられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004