発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011186407
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腰椎形成不全性すべり症に対し手術を施行した7例(男1例・女6例・平均16.1歳)の治療成績を検討した。手術は除圧に加えて椎弓根スクリューを用い、すべり椎間には椎体間固定術を行った。すべり高位は全例L5/S1で、固定範囲はL5/S1の1椎間が5例、L4を含めた2椎間が2例であった。椎体間に自家腸骨を使用したのが4例、局所骨に椎体間スペーサーを併用したのが3例であった。術後平均観察期間20.7ヵ月で、JOAスコアは最終改善率59.6%、骨癒合は全例で得られ、Slip angleは術後矯正率29.5%、最終時矯正率17.1%、矯正損失は平均42%であった。% slipは術後矯正率7.2%、最終時矯正率6.5%、矯正損失は平均10.3%であった。術中・術後合併症は5例に認め、1例に両側S1椎弓根スクリュー折損を認めたが、骨癒合が得られたため無処置とした。また、1例に片側の前脛骨筋力の低下を認めたが、一過性であり回復した。2例にスペーサー後方突出を認めたが、症状がないため無処置で経過観察とした。また、S1椎弓根スクリューによるS1神経根症状およびスペーサー前方脱転例に対し、後方進入により両側のS1椎弓根スクリューを入れ替えた後、前方進入により左総腸骨動・静脈間に脱転したスペーサーの摘出を行い、術後下肢筋力は回復した。
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