発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007308718
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73歳男。転倒後出現した左肩痛を主訴とした。内旋L5、外旋70°で疼痛を認め、圧痛は前方関節裂隙にあり、疼痛のために左手を腋下にもっていけなかった。関節造影では肩峰下滑液胞への造影剤の漏出を認め、MRIのT2強調横断像では肩甲下筋腱の小結節付着部で高輝度像を呈していた。関節鏡視では上腕二頭筋長頭腱が肥大・磨耗し、前方関節唇は断裂していた。手術により烏口肩峰靱帯を切離し肩峰下滑液包を切除した。さらに腱断端を新鮮化して引き出し、左大腿部から採取した大腿筋膜張筋をパッチとして欠損部に補填し、小結節部は骨溝を作成した。移植した大腿筋膜は術後のMRI上連続性を持って小結節に付着し、術後3年3ヵ月の日整会肩関節疾患治療成績判定基準は97点、関節可動域は屈曲160°、外旋60°、内旋L4であり、患者の満足度は高かった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007