発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004015998
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16歳女.主訴は頸部痛,両上下肢麻痺.神経学的には徒手筋力テスト(MMT)で上下肢とも3~4であった.四肢・体幹に高度の痛覚鈍麻を認め,深部腱反射は亢進していた.初診後1時間後にはC5/C6高位以下完全脊髄麻痺となった.来院後3時間のMRIでは,C4~Th1にかけて脊柱管内硬膜外背側に腫瘤像を認め,C6高位で脊髄は前方へ圧排されていた.腫瘤像はT1強調画像で等輝度T2強調画像で等~高輝度を呈しており,頸髄硬膜外血腫と診断した.入院後ただちにメチルプレドニゾロン大量投与療法を行い,頭蓋直達牽引を施行した.その後,痛覚鈍麻は完全に回復,上下肢はいずれもMMT5に回復し,MRIにて血腫の消失を確認し,halo-vest装着にて離床を開始した.しかし,その後のMRIにてC5~C7高位の硬膜外背側にT1強調画像で等輝度,T2強調画像で高輝度の腫瘤像が認められ,再出血と診断した.保存的に経過観察し,MRIにて血腫の消失を確認してから離床し退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2003