発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076375
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66歳男性。患者は62歳時に大動脈弁置換術・僧帽弁交連切開術を受け、以後、ワルファリンカリウムを内服中であった。今回、右下肢痛および歩行障害の増悪で入院となった。所見では右第Th3~Th9胸髄節触痛覚鈍麻、両下肢にしびれ・疼痛を認め、JOAスコアは11.5点であった。腫瘍摘出術を行ったところ、病理診断は神経鞘腫であった。術後2日目に下肢筋力の改善で頸椎カラー装着にて歩行器歩行を開始したが、術後6日目に右下肢脱力感を訴え、MRIではC7/Th1レベル脊柱管内に腫瘤が確認された。更に尿閉ならびに熱発と右下肢の著明な筋力低下を認めたが、術後11日目下肢筋力の改善傾向とMRIで血腫の縮小を認め、術後18日目に自尿を確認し、MRIでも血腫の消失を認めた。術後3ヵ月で独歩可能となり、体幹・両下肢に知覚異常は認めず、JOAスコアは13点と改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006