発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004231733
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5歳男児.4歳時に理学療法のストレッチ中に右大腿骨骨幹部を骨折した.大腿骨中1/3の斜骨折で,骨折部の短縮20mm(大腿骨全長の約10%),伸展変形10°を認めた.筋萎縮が強く牽引療法は無効と考え,骨折部の短縮を残したまま股関節ギブス包帯で保存的治療を開始した.受傷後37日骨融合を確認し,ギプス包帯を除去した.受傷前の筋緊張は四肢でAshworth分類stage3であったが,骨融合時の下肢長は右34cm,左37cm,筋緊張は右下肢でAshworth分類1+,上肢および左下肢はAshworth分類3であった.本例は脳性麻痺に伴うハムストリングの短縮,筋緊張の亢進が,右大腿骨骨幹部骨折によって下肢の短縮をきっかけに,患肢で筋緊張が軽減したと考えられた
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