発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017380366
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75歳男。7年前に人間ドックの腹部CTで腸間膜腫瘍を指摘され、症状はないため経過観察されていた。今回、腹痛が出現し、腹部CTで腸間膜腫瘍の増大が認められ、手術適応と判断され当科に紹介された。各種画像所見からGISTなどの腸間膜腫瘍を疑い、腹腔鏡補助下小腸切除術を施行した。術中所見は、回盲部に近い回腸間膜内に5×3cm大のダルマ状腫瘤性病変と2cm大の球状腫瘤性病変を認め、また、その近傍の回腸に粘膜下腫瘤を3個認めた。病変は腸間膜腫瘤近傍の回腸50cmに限局しており、手術は腫瘤切除と50cmの回腸切除を行い、さらに上腸間脈動静脈と回腸動静脈の分岐部までのリンパ節郭清を行った。切除標本の病理組織所見から、リンパ節転移を伴う小腸NETと診断された。術後2年の現在まで再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017