発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010313477
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
77歳女性。患者は右乳癌で右乳房切除および腋窩リンパ節郭清術が行われ、T1N0M0、StageIと診断された。しかし6ヵ月後、CTで総腸骨動脈分岐直後腹側の腸間膜内に35mm大の境界明瞭な軟部腫瘤が確認された。また、MRI T2強調では高信号を示す腫瘤が認められた。更にその1ヵ月後のCTでは腫瘤の増大はみられなかったものの、腸間膜腫瘍や乳癌腹腔内リンパ節転移が疑われ、腹腔鏡補助下に切除が施行された。その結果、摘出標本は暗赤色、弾性軟で、大きさは3.0×2.8×2.8cmであった。一方、病理所見では1層の血管内皮細胞に被覆された拡張した血管腔の増生からなる海綿状血管腫が認められ、腸間膜の海綿状血管腫であった。術後、経過は良好で、目下、手術から17ヵ月経過で再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010