発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017380365
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GIST例では一般に、その大半がc-KIT蛋白を発現し、KIT遺伝子変異またはPDGFRA遺伝子変異を有する。C-KIT蛋白陰性GIST例の約半数は胃に発生し、粘液腫様間質を背景に類上皮細胞がまだらに配列して腫瘍内への肥満細胞浸潤がみられる独特な組織像を呈し、myxoid epithelioid GIST(本GIST)と呼ばれる。本GISTは、PDGFRA遺伝子のexon 12ないしexon 18の遺伝子変異を伴い、予後は比較的良好といわれている。今回、c-KIT蛋白陰性の本GIST例を経験した。症例は50代男性で、組織学的特徴からPDGFRA遺伝子変異を疑って遺伝子検索を行ったところ、exon 18の変異が認められた。胃部分切除術を施行し、術後15ヵ月の現在まで再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017