臨床経験
閉鎖孔ヘルニア21例における臨床的特徴と手術法の検討
宮原 悠三
1
,
横山 将也
,
吉田 淳
,
近藤 悟
,
児玉 多曜
,
山崎 一馬
1とちぎメディカルセンターしもつが 外科
キーワード:
腸穿孔
,
閉鎖孔ヘルニア
,
後向き研究
,
小腸切除
,
ヘルニア縫合術
,
腹部CT
Keyword:
Hernia, Obturator
,
Intestinal Perforation
,
Retrospective Studies
,
Herniorrhaphy
pp.867-871
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017342235
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過去16年間に経験した閉鎖孔ヘルニア21例について、その臨床的特徴と術式を後方視的に検討した。症例は、全例女性で年齢中央値86歳、body mass index中央値17.8であり、受診時の主訴は腹痛や嘔吐などの消化管症状が多く、Howship-Romberg signは7例にみられた。患側は右側が14例で、大腿骨頸部骨折術後(人工骨頭)の1例を除く20例では腹部CTによる術前診断が可能であり、全例に緊急開腹手術を行った。嵌頓腸管の壊死や穿孔により腸切除を要した症例数は発症から手術治療までの時間に依存する傾向にあり、ヘルニアの嵌頓形態はRichter型が16例であった。また、ヘルニア門の処理法は13例が単純縫合閉鎖で、術後の生存退院は18例であった。閉鎖孔ヘルニアでは患者特性や状況に応じた安全かつ迅速な手術法を選択することが、患者の予後改善につながると考えられた。
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