発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017032246
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66歳男。腹部膨満感を主訴とした。血液検査では軽度の炎症所見上昇と腫瘍マーカーCEA・CA19-9の上昇を認めた。腹部CTでは上腹部から左骨盤腔にかけて径16×15cmの内部不均一な巨大腫瘤を認め、下行結腸は腫瘤により外側に圧排されていた。下部内視鏡検査では下行結腸に隆起性病変と硬化像の点在を認め、生検で中分化型管状腺癌であった。壁外発育型の下行結腸癌の診断で上中下腹部正中切開にて開腹手術を施行し、下行結腸切除、D3郭清、横行結腸-S状結腸の端々吻合を行った。リンパ節転移や他臓器浸潤は認めず、免疫染色ではCDX2陽性、CK7陰性、CK20陽性であり、大腸原発癌と確定診断した。術後経過は良好で第12病日に退院し、補助化学療法としてCapeOXを半年間施行した。1年経過して再発なく経過観察中である。
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