発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010242783
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
45歳男。患者は検診の腹部CTで上行結腸に腫瘤性病変が認められ、脂肪腫が疑われた。今回、精査・加療目的で著者らの施設へ受診となり、大腸内視鏡では回盲部に約3cmの粘膜下腫瘍が認められ、腫瘍は回盲弁に出入りしていた。更にCT上では上行結腸に腸重積が疑われる所見が認められた。以上より、本症例は回腸脂肪腫を先進とした腸重積と診断されたが、腹痛・出血等は認められず、経過中は無症状であった。しかし、腫瘍の診断および腸重積の解除、腸閉塞の回避目的に、腹腔鏡下において回盲部検体を切除したところ、28×25×23mm大のポリープ様隆起病変が認められた。また、病理組織学的には異型細胞、lipoblastは認められなかったものの、脂肪腫の所見であった。以上、患者は術後、経過は順調で第8病日目に退院となった。尚、術前に手術適応となる脂肪腫が診断された場合、低侵襲である腹腔鏡手術が有効と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010