発行日 2015年5月20日
Published Date 2015/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015241486
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70歳代,男性.2009年11月の全大腸内視鏡検査(total colonoscopy;TCS)で横行結腸脾彎曲部に過形成性ポリープを示唆する側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor;LST)病変を指摘し,2011年3月には同病変内にわずかな隆起を認めていた.2012年10月に再度TCSを施行したところ,横行結腸脾彎曲同部位に中央に硬さのある陥凹を有するIIa+IIc様病変を認めた.拡大観察ではVI型pitを基調としており,陥凹部ではVN型pitを呈していた.また病変辺縁の一部にII型pitを有する偽足様領域を認めた.一連の経過から過形成性ポリープを由来とする進行大腸癌と診断し,腹腔鏡下横行結腸切除術を施行した.病理診断はadenocarcinoma with MVHP(microvesicular hyperplastic polyp),carcinoma component:tub1>tub2>pap,pSS,ly2,v1,pPM0,pDM0,pN0であった.なお,非癌部(MVHP),癌部を遺伝子解析したところともにk-ras変異やBRAF変異を認めなかったが,CIMP positiveで,癌部でhMLH1のメチル化が高値を示したことより,MSI陽性大腸癌が示唆される症例と考えられた.
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