発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013325748
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37歳男。急激な下腹部痛が出現し、血液検査所見で炎症反応の上昇、X線でニボー像、腹部骨盤CTで左下腹部にclosed loopを呈し拡張した小腸と、小腸血管の収束像を認めた。また、S状結腸動静脈背側に小腸を認めた。S状結腸間膜ヘルニアと診断し、同日に緊急手術を施行した。下腹部正中切開で開腹し、拡張した小腸を創外に授動して腹腔内を観察したところ、S状結腸間膜右葉に3cm大の欠損を認めた。S状結腸間膜の欠損は右葉のみであり、S状結腸間膜内ヘルニアと診断した。嵌頓小腸は軽度発赤していたが、血行障害は軽度と判断して腸切除は行なわなかった。間膜欠損部を縫合閉鎖し、腹腔内を洗浄して閉創した。食事を開始した翌日に麻痺性イレウスを発症したが、保存的治療で軽快し、術後17日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013