発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016309862
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は59歳男性で、左下腹部痛を主訴に受診し、腸閉塞と診断した。イレウス管を挿入したが、腸閉塞の改善が得られなかった。腹部CT所見では、左下腹部に8字状に拡張した小腸を認めた。S状結腸は拡張小腸の腹側に位置し、右横隔膜下に少量の腹水を認めた。CT所見から腸閉塞の原因はS状結腸間膜関連の内ヘルニアと診断し、膜腔鏡手術を行った。腹腔鏡による観察では、小腸がS状結腸間膜左葉の膜状の癒着によって絞扼されていた。ヘルニア門径は約3cmであった。膜状の癒着はS状結腸間膜の腹膜付着部より連続していたことから、S状結腸間膜窩ヘルニアと診断した。S状結腸間膜の腹膜付着部を切離してヘルニア門を開放し手術を終了した。術後2日目より経口摂取を再開した。左下肢筋力低下に対し理学療法を行い、術後14日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016