症例
大網裂孔ヘルニアと横行結腸間膜ヘルニアの鑑別にCT矢状断再構成像が有用であった2例
佐藤 吉隆
1
,
田中 絵里子
,
加納 恒久
,
小野 由子
,
奥本 忠之
,
吉田 慶之
,
内山 史生
,
渡 潤
1ジャパン・メディカル・アライアンス海老名総合病院 放射線科
キーワード:
鑑別診断
,
腸閉塞
,
緊急手術
,
小腸疾患
,
横行結腸
,
ヘルニア縫合術
,
大網ヘルニア
,
腸間膜ヘルニア
,
腹部CT
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Intestinal Obstruction
,
Colon, Transverse
,
Herniorrhaphy
pp.1265-1270
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017061323
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症例1は40歳代女で、腹痛、嘔吐を主訴とした。症例2は50歳代男で、腹痛を主訴とした。いずれも救急外来で撮影されたCTで拡張した小腸の集簇を認め、冠状断像では腸間膜の1点への集中があり、closed loop型の閉塞であった。狭窄部は横行結腸はほぼ同じ高さに位置し、横断像や冠状断像では鑑別が困難であったが、矢状断像では大網、胃結腸間膜、横行結腸間膜の推測が可能となり、症例1は大網裂孔ヘルニア、症例2は横行結腸間膜にヘルニアが示唆され、それぞれ大網裂孔ヘルニアによる絞扼性小腸閉塞、横行結腸間膜ヘルニアによる絞扼性小腸閉塞と診断して裂孔閉鎖を行った。上腹部の経腸間膜ヘルニアで横断像や冠状断像では鑑別が困難な場合には、矢状断像の追加によってヘルニア門の位置の同定が容易となり、正確な診断に寄与する可能性があると思われた。
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