発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016351586
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59歳女性。上腹部痛と嘔吐の精査加療目的に著者らの施設へ紹介転院となった。腹部造影CTにて横行結腸は重積した小腸によって尾側へ著明に圧排されていたことから、本症例は内ヘルニアによる小腸の異常空間への逸脱が疑われたが、明らかな腸管虚血を示唆する所見は認めなかった。そこで、造影CTデータをもとに3D医用画像処理ワークステーションを用いて消化管立体再構築画像を作成したところ、横行結腸間膜に生じた異常裂孔をヘルニア門とする横行結腸間膜裂孔ヘルニアが術前診断することができた。以後、入院3日目に開腹手術を行い、横行結腸間膜に生じた異常裂孔に嵌入する小腸を用手的に整復後、横行結腸間膜の裂孔部を縫合閉鎖した。その結果、術後の経過は良好で、患者は術後14日目に軽快退院となった。
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