発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013255235
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症例は81歳女性で、上腹部痛で近医を受診し内服処方されたものの症状が増悪し、精査加療目的に当院入院となった。入院時、腹部全体に膨満を認め、上腹部に圧痛、筋性防御が認められた。腹部単純X線で左上腹部結腸に著明な拡張を認め、腹部造影CTで横行結腸と思われる部位に壁肥厚、内腔狭小部位を認め、開腹したところS状結腸が反時計回りに180度捻転し胃前庭部前壁に癒着していた。S状結腸癌穿孔と診断してHartmann手術を施行したところ、病理組織学的所見は亜全周性の2型の中分化型腺癌で、癌部に穿孔が認められた。術後6ヵ月目に予定した人工肛門閉鎖術前に下部消化管内視鏡を施行したところ、上行~横行結腸は可動性が高い状態であったことから総腸間膜症と診断し、人工肛門閉鎖術および予防的虫垂切除術を施行した。初回手術より3年0ヵ月経過し再発なく経過観察中である。
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