発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2013320012
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60歳代,男性.2005年2月および2007年2月に大腸内視鏡検査にてS状結腸に径3mm大の0-Is型ポリープを認めた.以降受診がなかったが,2012年6月,左下腹部痛が出現し当院を再診.大腸内視鏡検査を施行したところ,以前0-Is型ポリープが指摘されていた部位に径15mm大の0-IIa+IIc病変を認めた.陥凹部分は,クリスタルバイオレット染色でVN型pit patternであり,NBI拡大観察でもsurface patternを認めず,断片化した不整な微小血管が散在し,かつ無血管領域を認め,広島分類Type C3であった.これらの所見より,SM深部浸潤癌と診断し,腹腔鏡補助下結腸切除術(LAC)を施行した.最終病理診断は,Moderately differentiated tubular adenocarcinoma(tub2),pSM(2,600μm),budding Grade 2,ly1,v1で,リンパ節転移は陰性であった.今回,径3mm大の0-Is型ポリープが,7年の経過で径15mm大のSM深部浸潤癌に進展した症例を経験し,大腸癌の進展を考察するうえで興味深いと考えられた.
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