発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016152978
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88歳女。下血を主訴に、精査加療目的に前医より当院紹介となった。胸腹部造影CTでは、上行結腸に造影効果を伴う30mm大の腫瘤性病変を認めた。下部消化管内視鏡では、上行結腸の肝彎曲近傍に約1/4周性の35mm大の隆起性病変がみられた。腹腔鏡所見にて上行結腸癌が疑われたため、腹腔鏡下に右半結腸切除、D2郭清を施行した。病理組織学的に紡錘形の腫瘍細胞の増殖を認め、核異型や核分裂像がみられ、免疫染色にてα-SMA(3+)であったが、DOG-1(-)を確認し、上行結腸平滑筋肉腫と診断された。術後第13病日に軽快退院となり、術後1年4ヵ月に多発性肺転移を認めたが、本人および家族と相談し経過観察となった。術後1年8ヵ月に心不全を発症し保存的治療にて軽快したが、入院1ヵ月目に脳梗塞を発症し、4日後に死亡した。
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