発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013197265
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74歳男。腹部膨満、腹痛、嘔吐を主訴とした。胃癌術後4年目で、再発転移なく経過観察されていたが、腹部CTでは盲腸から上行結腸に広範な壁肥厚と所属リンパ節の腫大を認めた。下部消化管内視鏡では上行結腸に2型腫瘍2個と全周性狭窄を認め、生検にて前者からはGroupV、後者からはGroupIが検出された。多発性転移性大腸癌による腸閉塞として経鼻的イレウスチューブによる小腸減圧の後、拡大結腸右半切除術とD3リンパ節郭清を行い、今回の病理組織像および免疫組織染色と、原発巣と考えられる胃癌標本の組織学的特徴が一致したことから、胃癌の大腸転移と診断した。本例の転移経路としてリンパ行性転移が強く疑われ、術後補助化学療法を行うも、脳転移を来して術後1年で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013