発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016142688
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86歳女。直腸癌に対する根治術後約17ヵ月より、疼痛と多量の浸出液を伴う臍部腫瘤が出現した。胸腹部造影CT・生検の結果、直腸癌臍転移、腸管浸潤、腹膜播種、多発肺転移と診断し、浸潤が疑われた小腸を含め臍腫瘤の切除を行った。病理診断は中分化管状腺癌で、初回手術時の直腸癌の組織と類似しており転移と考えられた。術後経過は良好で、第18病日に退院した。創部は12cm大の腹壁瘢痕ヘルニアとなったが、術前に認めた疼痛・浸出液・悪臭は消失し、腹帯装着により支障なく日常生活が可能となった。術後capecitabineによる化学療法を行い、2年経過した現在も自立した生活を送っている。
©Nankodo Co., Ltd., 2015